2011年のアニメを!④花咲くいろは……一番幸せなときだった


さぁ,今年最終日だとまだまだ仕事は残っている!
2011年を振り返るアニメ4本目!

今回は「花咲くいろは」.


すいません,順番的にはFateなんですけど,飛ばします.多分無理です,これ書いてたら来年になります.っていうか放送終わってないのであんまり書きたくない.

というわけで「花咲くいろは」,俺がここ5年くらいで放映したアニメのなかで,一番面白いと思い,一番はまったアニメです.


4月からの2クールで,放送時期的には,リアルタイムなタイプのアニメでした.

つまり時間の流れが,リアルワールドの4月がアニメ内の4月で,リアルの10月(最終回あたり)がちゃんと物語内でも10月になるというアニメです.
こういうのは,あまり気づかないんだけど季節感の演出がかなりマッチするので,見やすい.

もうこれはものすごく個人的な好みの話なのかもしれません.
後藤は,「こういう空気読まない声の大きい女嫌い」って言うんですけど,多分俺は好きなんですね.
そして,一番最初無気力な自分と怠惰な日常に飽きている主人公が,なんかの拍子に働くことを強制されて,何気にいい人たち!ということに気づいたり,働いてみて見える景色が変わったり,働くのが楽しく見えたり.
そういうアニメが多分死ぬほど好きなんです.

昔,千と千尋っていうアニメが公開されたんですよね.
映画だったんですけど,っつって大抵の人が知ってますよね.スタジオジブリの「千と千尋の神隠し」ですよ.
あれを,他にもいろいろい理由があるんですけど,上記のような内容も含むじゃないですか,おかげでものすごく見たんですよね.
それも,こういうのにはまると短期間にものすごい量を見るんですよ.
うっかりビデオを買ってしまって,買ってから1か月の間,平均週に4回見るっていう狂気な生活してたんですよね.
ほぼ毎日,とりあえず学校から帰ってきたら千と千尋見る,っていう生活をしていた.

もう俺はいろは4回通してみましたけど,そういう狂気が久しぶりにやってきた感じでしたよ.

 

さて,
そういう好みを外に置いておけない年齢なんですけど,このアニメ,流行ったというほど話題になったわけじゃないんですけど,ぼんぼり祭りやりましたよね!

アニメ内に出てくるお祭り(架空)を,モデルになっていた現実の温泉街で,実際にやってしまう,という非常にポロロッカ
だけど,それで人が来てればいいでしょう.

前回紹介したあの花,もそうなんですか,あの花といろは,そして今回の紹介には含みませんが,たまゆらというアニメ,この3つは今年放映したアニメの中ではかなり聖地売りが盛んでした.
舞台がきっちり決まっているということもありましたし,地元自治体が嫌がることなく売り出して,イベント等を開催してくれたり,宣伝してくれたおかげで聖地巡礼がかなりはかどったかと思います.

こういうのは行く側も来てもらう側も,基本的にはうれしいと思うのでいい兆候だと思うんですよね.


普段からアニメを見るオタク層を狙っての岸田メルなのかとも思ったんですが,どうなんでしょう.
いまいちP.A.worksの売り方はよくわからない.
ただ,地方密着というか,北陸にあるアニメ制作会社なだけあって,北陸を舞台にすることが多いように思います.


今回のいろは,オリジナルでしたし,非常にオタク層以外の広い層にも知ってもらえたんじゃないかと思います.
そもそも地元の人が結構見てくれたんじゃないでしょうか.
前からかもしれないけど,あまりオタクに媚びた描き方をしてこないので,非常に好印象です.
絵柄もそうだし,演出とかストーリーも,めちゃくちゃ手が凝っているのがよくわかるんだけど,媚びてない.
そういうところは,一般の方が見ても気持ち悪くないと思いますよ.


また,これはちょっとオタク的な視点ですが,背景の描きこみが物凄い.
映画ならアリだと思うのですが,コンテで出してくるカットを,あまり切ってない?
カット数は結構多いし,なによりそのカット内に映り込む背景の量が多いうえに,すべてにおいて質が高い.
実写ならまだしも,アニメであれだけ背景を大量に映すと,もうすごい作業量になるはずなんだけど,そういうことを惜しみなくやってきてくれる.
だからあれだけ見事な絵に仕上がっているんだけど.

 

そしてなによりドラマが面白い.
話の内容が面白い.
わかりやすいタイプの,壮大な物語を作るタイプの話だと2クールを持たせるのはそんなに大変じゃないと思いますが,このアニメにはそもそも悪役が一人も出てこない.
だから,人間関係とか仕事関係の,非常に日常的なドラマが面白い.
日常的といっても,主人公が第1話で旅館に放り込まれるあたり,非日常なんですけど.

ただ,あまりゆるい日常アニメというタイプのものではないです.
これで26話よく持たせている.
さすがオリジナルというだけあって,その辺のストーリー構成は見事に過不足なく描き切れています.

四十万スイという,おばあちゃんが非常に輝いて見えるアニメですが,これはお母さんなのかな,と思う.
緒花にしても,母親に対してはあまり母という見方をしていない.
むしろ,緒花を叱ったり,仕事を教えたり,そして緒花自身もあまりおばあちゃんという認識を持って接してはいない.

皐月からすれば,スイは普通に母さんだ.
もちろん縁から見ても母さんだ.たまに「母さん」って呼んで怒られているけど.

そういうあたりが,スイというのはどの世代から見ても,お母さんという立ち位置に見える.

たぶん,このアニメの制作スタッフはスイが好きだ.
おそらくスイはかなりいいポジションのキャラとして作っている.

そうすると,アニメっていうなんか世間的な認知度もいまいちで,すごい稼ぎがあるわけでもない仕事をしている人たちから見ても,やはりスイというのはしっかりしたお母さんなのかな.
だから,スタッフから見ても,そういう仕事をしっかりしていて,(アニメ内では旅館だけど)家を支えている母親というのを描いている気がしました.

 

非常に面白いアニメなので,是非見てみてください.