3月11日だから,今日はきっと日本中のtwitterやブログやmixiやリアルで,震災一周年の話をネタにしていることでしょう.
あえてネタにしたりはしませんが,俺は良く覚えてないです.
普通に車に乗ってて,駐車場ついたらなんか揺れてた.
学校についたら,みんな建物から出てきていたりして騒がしかったです.
さて,
誰かに「面白いよね」って言われると,「うーん,そこまで肯定はしない」と思うけれど,逆に「つまんない」っていわれると,「そんなことないよ」と言いたくなる.
こういうのを世間一般的には,もしかしたら天邪鬼っていうのかもしれない.
化物語は面白かった.
非常に面白かった.
俺自身,西尾維新作品を見るのが初めてだったから,セリフも面白かったし,話も面白かった.
キャラクターコメンタリーはギャグだ.
偽物語には,だから,期待していた.
確かに期待していたよりは面白くない.
これは完全に過剰期待なのだが,化物語の面白さを期待した.
怪異に関する話に変わりはないし,基本的には続いている.
原作として,それほど大きな差異があるのか,俺は原作を読まないのでわからない.
でも,明らかに違うものがあって,だから面白くないともいえる.
一つはアクションだ.
化物語,第1話冒頭を見ればわかるとおり,化物語では本編中にものすごい量のアクションシーンが出てくる.
怪異との折り合いの付け方として,化物語では目に見えない恐怖ととことんバトルをする.
バトルがないのは,まよいマイマイだけ.
そしてこのバトルの多さが,ただ怪異を片付けるだけの物語に緊張感を与えている.
偽物語でも,妹とのバトルは出てくる.
だが,これは若干ギャグなのだ.
確かに身長が高く,空手が得意で,常に逆立ちをして歩いている妹は強い.
でも高速道路を破壊するほどではない.
暦がその衝撃に耐えられるのはいいとして,そんなレベルで戦えるのは怪異くらいなものなんだ.
だから,この戦闘に関して言うと,緊張感ではなくてまったくのギャグなんだ.
それに近い話なのだが,化物語では一つの事柄を片付けるのに,大体2~3話しか使わない.
だから説明は多くなるのだけれど,展開がだらだらしていない.
それに対して,偽物語では,1クールでかれんビーとつきひフェニックスしかやらない.
一つが長い話なのはいいとしても,緊張感を生む要素がないと,毎回があまりにも単調になりやすい.
なのに,解決方法があっけない.
もう一つは演出方法の変化だ.
近年,シャフトアニメはあまりにも流行に乗りすぎていて,アニメーションの作り方に変化が多い.
かつて,新房昭之が監督をして,シャフトがアニメを作っていれば,確実に1話の中に何カットか,実写カットが挟まれていた.
これが,バンパイアバンドあたりから見かけなくなり,おそらくまどか☆マギカではほとんど見られなくなっている.
おそらく,俺が初めてこういう写真を使ったカットを見たのは,アベノ橋魔法商店街から.
アベノ橋はGAINAXの制作であり,シャフトではないのだが.
シャフトはまたちょっと違って,風景ではなくて物体をよく写真で出していた.
これが,もはや偽物語には皆無である.
この写真のカット,嫌がる人もいるんだけど,ぱにぽに,ネギま!?,ひだまり,絶望先生,まりあほりっく,という代表作を見てきた人にとってはあまりにもなじみ深い演出だと思う.
また,化物語では非常に多用されていた音声のみのカットがほとんどない.
これは,もしかしたらシャフトが本気を出してやる気を注ぎ込んでいるとも見えるし,先も書いた通りバトルシーンの少なさにより,いろんなところに手が回るようになっているのかもしれない.
確かに,化物語もDVD発売時には追加カットがかなり多くなっており,音声のみのカットに絵がついている場面もあった.
でも,これによって見やすい部分も多々あった.
特に阿良々木君の心中をセリフにしているシーンは,あえて絵をつける必要のないシーンなんて大量にあったのだから.
こういう演出は,アニメーションとしてはちょっと異端だ.
そういう部分は好きなところだったし,あまり普通のアニメを作ってほしいとは願っていなかった.
だから,偽物語に関して言うと「ちょっと普通のアニメになってきた」という印象なのかもしれない.
そしてこれは純粋に,悲しいと思う.
「偽物語最高に面白いよね」と言われると「普通のアニメなのになぁ」と思う.
それでも,「自分が好きだった化物語」の続きの話であるアニメを「つまらない」と言われると,ちょっとイラっとする.
俺はキャラに対してものすごい思い入れがあったりは,あまりしない.
だから,ひたぎが出てこなくたって,撫子が出てこなくたって,あまり気にならない.
つまり,別に登場人物が妹二人ばっかりだったとしても,そんなに問題ではない.話さえ面白ければ.
そもそもアニメで,あまり好きなキャラクターというのはいない.
嫌いなキャラクターはいるのだけれど,それはたいてい「声が嫌い」という理由による.
キャラクターはアニメの中の登場人物であって,それは話を作る要素の一つでしかない.
いってみれば,カレーに入ってるスパイスみたいなもので,なければ困るんだけど,あの粉単体をなめたりして「美味い」とか言ったりしない.
スパイスの組み合わせで最終的に出来上がったものは美味かったり不味かったりするし,あれが足りないとか,これが多すぎるとか思ったりする.
だけど,カレーというものが好きな理由の中に「俺,クミンが好きだから」なんてものは入っていないんだ.
だから,ストーリーや演出が嫌いなアニメで,「つまらない」と思っているのにキャラクターだけが好きなアニメなんて存在しない.
偽物語だって,キャラクターが好きなわけではないのだから,いい加減話を面白くしてほしいと思うのだが…….
先週の歯磨き回や,かれんビーを見る以上,どうしてもキャラクター押しなんだ.
だから「可憐ちゃん可愛い」と思って見ている人は,おそらく全然抵抗なく見られている.
キャラクターを立たせるのはいい.
だけど,キャラクターに考えさせたり,何か行動を起こさせて壁つぶつけたり,そうやってキャラクターの厚みを増やしていくのではなく,物語には関係ない経験を多くさせていても,キャラクターの属性がどんど増えていくだけなんだ.
こうやって,キャラの上にいろんな色を塗っていって,キャラクターの色を濃くしているアニメというは,実は結構流行だ.
そうするとキャラクターを好きになる人口が増える.
だからグッズが売れるのだろうし,同人誌という文化はこうして広がる.
そして最後に,あと1話でいったいなにを完結させるつもりなんだろう.
どう考えてもこれは枠が足りていない気がする.
つまり,前回同様,Web公開に持ち込む気がする.