今週の坂道のアポロン、最後のMy Favorite ThingsからMoanin'へ、最高でしたね。
あの部分だけ繰り返して見た。
このMoanin'が始まった瞬間の嬉しさ、ブルーノート・スケールというのはこうも気持ちよく聞こえる。
さて、
Fate/Zeroって面白の?と聞かれたので、よくよく考えてみたんだけど、去年思っていたほど面白くはない。
去年はそれはもう、「ああこれ面白いアニメだ」と思っていたはずなんです。
で、あのアニメは分割2クールといって、もともと2クール(26話くらい)の話を13話ずつ分割して放映してた。
だから、この4月から2クール目がスタートした形になるんだけど、いざ始まったら「あれ?」という感じ。
それどころか、このアニメはあと1か月で終わるってことなんでしょ。
1クール目は、一応紹介的な話もかなり多いし、仕方ないのかなぁと思っていたんだけれど、誰の話かわからない。
主人公というのはいったい誰なんだろう。
これは……戦闘になっても盛り上がれないよ。
設定をすっぽり忘れているのかもしれないけど、そもそもなんでこの人たちは聖杯戦争なんてことをやっているの?
特別に聖杯が欲しいという人も少なくて、何を望むかもみんなはっきりしていなくて、じゃぁ何をやっているの?
どうも聖杯とサーバントを言い訳に、規模のでかい魔術師同士の個人的闘争をやっているだけにしか見えない。
悪役というのをあまり作らない方針なのかもしれないけれど、それにしては要所要所で「騎士道精神」とか言いながら協力しすぎでないですか。
だから、ジャンプ漫画みたいに、「宿敵に負けて、修行して強くなる」とか、そういう感動すら狙っていないよね。
宿敵だと思っていたやつに負けそうになっても、次の戦いでは協力していたりするじゃないですか。
それぞれのキャラの背景をいっぱい見せているから、それをもとにして悪役を作らない方針に見える。
でも、聖杯っていうのは、つまりは欲の塊なわけでしょ。
「俺は自分のためには使わない」みたいな人間の描き方をしても、結局万能の聖杯を求めて他人を殺して回っているのは、どうしても「なんか変だよな」と思ってしまう。
いろんな人のいろんなことを映して、誰の話だかわからなくして、戦う理由もよくわからない。
誰が善人なわけでも悪人なわけでもないように見えて、みんな「私利私欲には使わない」と言っている。
それならば、「じゃぁこれって誰が勝ってもいいじゃん」と思ってしまう。
これって、見ている俺が感じている時点で、実はそんなに面白くないってことなんじゃないか。
1週間に1本ずつ放映するアニメでは、先が気になるように作られているアニメが結構ある。
そういうアニメは、ちゃんと1週間分その熱量を保持したままにさせなきゃいけない。
1日で26話すべて見てしまうような状態なら、それほど気にならないのかもしれないけれど、これだけ待たせておいてあまりのめりこめないというのは、期待外れなんです。
待ち時間が長かった分期待してしまうから仕方ないのだけれど、それにしても熱中して見ていられない。
俺は原作は読んだことはないし、TYPE-MOONに関係していそうな作品で言うと、空の境界以来の2本目ということになる。
ufotableも監督のあおきえいも、というかここの絵はすごく綺麗に仕上がっていて、血の色とかすごく鮮やかなんです。
HPではよく、先行カットが上がっていたり、BDでの修正の話も話題になっているくらい、絵のクオリティは高い。
そういうところは大好きなんだけど、でもやっぱり俺は普通のアニメオタクなんですね。
どれだけ絵が綺麗で、映像のクオリティが高くても、それだけで9か月も熱が持たない。
「作画がいいから」と言って毎週日曜の朝8時半から起きて某プリキュアを見たりできる程の人間ではないんです。
「作画がいいから」という理由だけで、中身がそんなに面白くないアニメ、その画面を30分間も凝視できないんです。