こういう父親と同じくらいの世代にちょっと苦手意識があるのは,みんな同じだと思いたい

家の近くのTSUTAYAに行って,ちょっと「シャイン」という映画を借りようと思ったんだけど,まぁ借りられてたわけです.
なんでシャインなんていう96年公開の,一昔前の映画を唐突に見たくなったのか,特に理由はないんだけど,とりあえず見てなかったので見たかったんです.
ラフマニノフの3番が出てくるんで有名ですけど,もうとりあえず,ピアノ弾いてればなんでもいい,というところまで来た.


さて,
そんな悲しさにうちひしがれているのはどうでもいいとして,また来週行けばいい話です.

どこから引っ張って来ようか迷ったんですけど,とても難しいのでいろいろなものを乗っけます.
まず,見てくれの派手なものから.こういうのが人の目につきやすいんですね.

http://yaraon.blog109.fc2.com/blog-entry-5413.html


ニュース元はここ.
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111122-00000005-jct-ent

一方で,もうちょっと下火なところ.
http://0taku.livedoor.biz/archives/4021803.html


これのニュース元はここ.
http://www.asahi.com/showbiz/column/animagedon/TKY201111200107.html


これは2ちゃんねるまとめサイトなので,元のスレに行こうと思ったんだけど,当然のごとく過去ログ行きで,ちょっと悲しかった.


やらおんの記事を見ると,実に過激なことを言って盛り上がってそうな講演に見える.
だけど,朝日新聞の記事を見る限りそんなことはない.すくなくとも前半は結構面白い話してる.

こういうところを見ていると,本当にニュースの伝え方にしてもそうだし,まとめサイトの方向性も,なんかあまり気持ちのいいものではないことがよくわかる.

わかるんだけど,とりあえず今日のところはそういう話がしたいんじゃないんだ.
アニメの話がしたいんだ!俺は!


庵野も含めて,ここで出てくる押井や宮崎というのはみんな結構ご年配の方々じゃないですか.
俺も,歳とは言わないけど,アニメを見始めて大分長いことたってきて,みんなちょっとは思うんですよ.
「いや,最近のアニメは……」
もうこれは,「最近の若者は……」っていうノリで言われるのと同じで,なんか思わず言ってしまいそうな怖さがあるくらい,みんな思ってるんですよ.
「昔はよかった」っていう話にならないようにするのが本当に大変なんだけど,やっぱりどこかで思ってしまうんですね.


ただ「コピーのコピーのコピー」というのはどうだろう.
確かにうんざりすることがいっぱいあるんですよ.
もうこの10月に始まったアニメでまともに見てるのって,ちはやふるバクマンラストエグザイルFate未来日記,くらいですよ.
実はもっと見ているんですけど,忙しくなったら見ないラインがこの辺.
結構見てる気がするけど,始まったアニメってかなり多いからね.
それでも,Fateが一番面白いっていうと,那須きのこ否定派やら,月姫派から,「え・・・お前もついに・・・」みたいな目で見られるし.
ラストエグザイル面白いっていうと,「なんか昔聴いたことあるわ」くらいにしか答えてくれなかったり.

いや,いいです.そういう愚痴はいいんですけど,うんざりするのって多いんですよね.
でもこれって,別にここ数年で始まったわけじゃないですか.アニメの絶対数がかなり増えているので単純に比較もできないけど,秋からに2000年代初頭からあったでしょ.
それでいうなら,70年代はみんな意味不明なところにドリルつけた謎のロボットアニメがいっぱいあったじゃないですか.
90年代後半になると,みんな無口な女の子をヒロインにしてみたり,難しい聖書っぽいこととか,哲学っぽいものを無理やり取り入れようとしたりしたアニメがいっぱいあったじゃないですか.

その時代その時代で,そういうものが大量に出回ってるのはそんなに悪いことじゃないと思うんですよね.
今のハーレムアニメだったり,萌えアニメだったり,そういうものが「表現」としてアリなのかは俺にはなんともいえない.
だけど,それほどコピーものばかりだとも言えない.
確かに,「この設定よく見るよー」とか「こんなのどっかのラノベでよくある設定」とか,そいうったものは大量にあるんですよ.
そういうところでうんざりすることはあるんですけど,それっていつでもあったと思うんですよね.

そういう萌えアニメとかは,一世代前のアニメブームのコピーなんじゃなくて,その世代の中でのコピーでしょ.
ハルヒという一大ブームがあって,そのコピーみたいのがいっぱい出てきた.
だけど,その前はエヴァみたいなアニメのコピーがいっぱいあった.
その前はガンダムみたいなものがいっぱいあって,その前はマジンガーZみたいのがいっぱいあって・・・.


俺はエヴァ後くらいからアニメをよくみるようになった世代なので,そのあたりはたとえ似たようなものがいっぱいあっても,自分自身が成長した土地だから,かなり愛着があってみんな面白かったように感じるんですよ.
でも,多分実際はそんなことはなくて,今,アニメがかなり話題になってからアニメにはまってる人たちって,この数年のアニメの土地で育つじゃないですか.
そうしたら,また5年後とか10年後にその人たちも俺らと同じ気持ちになる気がするんですよね.

 

と,ちょっと押井さんの話をしたので,そのあとのdisりの話をしましょう.


「押井のアニメくそつまんねーんだよ」 
「押井も信者向けの消費財じゃん」


押井守のアニメをどのくらい見たのか,ちょっと気になるところではあるけど,押井信者もね,半分以上は「押井作品つまらない」って言われても,「そうか」としか思わない.
別に自分がそう思ってるわけじゃなくて,ましてや批判してくる人たちのことを見下すわけでもないんだけど,「思いっきり反発してやろう」という気にはならない.
「つまらない」っていう人たちの気持ちも,なんとなくわかる.
というか,どういうところをほかの人たちがつまらないと言っているのかが,面白いと思っている自分たちもわかってしまう.

わかってしまうんだけど,ついつい押井作品は見に行ってしまう.
押井守が作るアニメは,たいていがテレビアニメではなく映画なんですよね.
そうすると映画としてのカットの作り方とか,すごくいいんですよ.
あれだけ小難しいこといってたり,勢いが全然ないのに,結構すんなり見られるんですね.

で,オリジナルじゃないのに,作家性がめっちゃでてるじゃないですか.
いや,結構楽しみなんですよ,次回作も.
押井さんがいつまで学生運動を描き続けるのか,すごく楽しみなんですよ.
あの人今60歳だけど,これがあと10年とか15年経って,最後の作品だっ!ってなったら自伝みたいな学生運動の映画作ってくれるんじゃないかなってすごく期待してるんですよね.

 

 

 


あと,消費財じゃないかっていう話だけど,押井アニメは消費財っていうほど売れてないよね?
いや,むしろアニメが消費財といわれるくらいになってきたことは,文化としてはよくないことかもしれないけど,産業としてはいいことなんでないの.
映画はともかく,今テレビでいっぱいやってるようなアニメを,みんな芸術作品の一部みたいなとらえ方をしようとしたら,それこそ成り立たないじゃないですか.
むしろ,アニメ産業といわれるくらいになったことは,アニメっていう仕事が成り立ってきてるってことじゃない.
現代アートで,よくわからない絵を描いてる芸術家とかいっぱいいるじゃないですか.そういうのって確実に芸術だけど,食っていくのってすごくしんどいでしょ.
それに比べればアニメの仕事って,今結構いっぱいあるでしょ.
それなりに職はあるじゃないですか.

そこで「こんなのはダメだ」って言うのは,美味しんぼ海原雄山が100円ショップで売ってる器を見て,「こんなのはクソだ」って言うようなものじゃないですか.

確かに面白いアニメは増えてほしいし,言ってることもよくわかるんだけど,今読める記事を読んだ段階ではこんな感じの感想しか得られない.

いずれも,まとめに載ってる2ちゃんねらーの反応はどれも見ててイライラするものしかない.
そもそも元のスレッドが見られないので,スレの流れが正確にわからないからダメなんだけど.