今週のAnother,えらく怖かったです.
毎週それなりに怖いのですが,今週のはとくにびっくりするシーンが多い.
ホラーのこういうところ嫌いだと思うのは,いきなりでっかい音がしてびっくりするところね.
これは嫌いなんです.
Another,今週はホラーっぽかった.
さて,
うちの教授がものすごく初音ミクが好きなので,今日はボーカロイドの話をしようと思う.
映像情報メディアの1月号のトップに載っているのでバレバレだと思いますが,あの人は初音ミク大好きです.
そういえば,うちの妹もものすごくボーカロイドが好きだ.
CDは買っているし同人誌は買っているし,なんか気持ち悪い.
流石我が洗脳を受けただけあって気持ち悪い.
洗脳された人間というのはここまでなるのかと,たまにたにさんを見ていて思うのだが,本当にレベルが上がってくると,これはもうオタクを否定する人間なんてこの世の中に存在しないんじゃないかと思ってくる.
隣の部屋から聞こえてくるボーカロイド曲,すでに曲ではないものまで含めて,もはや俺の範疇をはるかに超えている.
そもそもアマチュアが作るボーカロイドの曲がCDで発売されているということが,なんか変な感じがする.
それは同人CDというやつなのだろうか?
そして,音楽だけではなく,語りも含まれているような気がする.
ボーカロイドに歌詞を歌わせるのも高度な技術だが,会話,というか普通の話し言葉を話させるのはもっと高度な技術だ.
だから,傍から聞いてると何言ってるのかわからない.
この生き物(妹)はこの謎の言語を聞いて,いったい何のリスニング能力を鍛えているのだろうか.
もしかしたらこの生き物は,この言語を完璧に聞き取れているのかもしれない.
ある日妹に電話したら,音声がやけに電子的だったらどうしよう,発音がまったく聞き取れない合成音声だったらどうしよう,とかちょっと心配しいているんですが.
洗脳しといて言うのもなんだけど,俺は別にそんなにボーカロイドは好きじゃない.
初音ミク単体に関して言うならそれなりに好きだった時代もあったんだけど,その他髪の毛が黄色いやつとか男のやつとか,そういうボーカロイドはほぼ知らない.
ボーカロイド好きな人も,この気持ち悪い妹のように極度の中毒者以外にも,いくつか種類がいるのではないかと思う.
特によく出会うのが,ボーカロイドの曲は好きだけど,別の人が歌っているものをよく聞く人.
ボーカロイドというのは音声合成技術としてはなかなか見事なものであるし,初音ミクというものの流行っぷりも目を見張るものがある.
ただ,技術的に高度なことは別にして,それで同人音楽がえらいことになっていて,これからすごいことが起こりそうだとは,特に思っていない.
むしろ,曲はすきだけどボーカロイド以外の普通の人間が歌っているものをよく聞く人,というのが,一番数が多い層で,それがボーカロイドのアリな部分じゃんじゃないかと思っている.
そして,その部分だけが突出してすごいことであって,この先発展していくところが多くあるとは思っていない.
音声合成技術の進歩より,ボーカロイド曲をほかの人が歌う,というところに同人音楽の進歩が見える.
そもそも初音ミクを初めとするボーカロイドは,「音楽は作れるけど歌い手がいない」という層がこぞって使ったものだと思う.
初音ミクというキャラクターがえらくブームになったせいで,逆転現象は多々起きているのだけど,音声合成という技術の進歩によって変化した同人音楽というのは,その部分だけである気がする.
だから,「音楽は作れるけど歌い手がいないのでミクを使ってみた」曲が本当に良い物であれば,別の人が歌ってみたりする,という流れはアリなのだと思う.
そしてそれによって同人音楽文化が進歩したと言うのは間違いではないだろう.
だから,ボーカロイド曲を別の人が歌っているものばかりを聞く層が,それなりに多いのも納得できる.
でも,そのくらいまでで,あの合成音声自体にそんなに惹かれるのは理解できない.
どちらかといえば,それはバーチャルアイドル的な意味合いが強くなっている気がしてならない.
音声合成っていう技術的なものではなくて,キャラクターとしての需要が伸びているだけな気がする.
だから音声合成技術によって同人音楽の世界がそれほど飛躍的な進歩を遂げているだとか,遂げそうだとかは,イマイチ思えない.
俺も,登場当初はいくつか聞いていたけれど,最近のボーカロイドは全然知らない.
ミクとうキャラクターが歌っていることは最早どうでもよくて,supercellのように曲自体がいいものは聴く.
その結果,はやり合成音声より人が歌っているものの方がいいから,メルトより君の知らない物語のような曲の方が好きになってしまう.
やっぱり,極度にミクに洗脳された人間でない限り,普通に聞いていれば無機質だと思うし,歌詞が何言ってるのかイマイチリスニングしきらない.
音楽として聴いている以上,正直物足りなさを感じる.
ただ,キャラクターとしては非常によくできている.
ゲームであれアニメであれ漫画であれ,キャラクターというのは基本的には話の中に登場してくるものだ.
例外的にデ・ジ・キャラットのようにキャラクター先行で後付されるものもあるかもしれないが.
話の中に登場するキャラクターというのはそれ自体が物語の設定を背負っていたりする.
そして一番大きい違いは,性格や動きが決められている.
ミクというやつは,声こそ藤田咲がベースになっているが,歌う内容は自由に変えられる.
おまけに絵も,動いている絵が公開されていたわけではないので,いろんな絵師が好きに描いた.
いわば,一番最初にパッケージになっていた絵だけがキャラクター原案で,キャラデザを回りのオタク達がこぞってやった,みたいなものだ.
そこで,多分,歌を歌わせたり絵を描いている人たちが,キャラクターをデザインする楽しみが生まれたのだと思う.
現在流行っているアニメで,キャラクターが薄いといわれるようなものが多くある.
前にも話したけど,そういうキャラクターというのは,キャラクター自体が物語で厚みを増すことはない.
そういう厚さの部分は,ネットでみんながいろんな脚色をして,キャラクターというもの自体をクラウド化してしまう.
おそらくそういうキャラクターが流行っている文化で,ぴったりそういうものに合致しているものの中に,初音ミクというやつが組み込まれているのだと思う.
ただし,もしかしたら,ボーカロイドが中毒的に好きなうちの妹のような人は,合成音声の感覚が逆転していて,合成音声をさして悪いものと感じていないのかもしれない.
昔から,無機質な音を好んで聞きたがったり,使いたがったりする人はいて,たぶん電子音楽のようなものはそういうところから生まれている.
俺はとことんそういった音が苦手なんだけれど,たとえシンセサイザーじゃなくとも,ピアノの音はスピーカーから出た途端それはオモチャだと思っているけど.
だって振動しているのは弦じゃないじゃない.
でも,そういうものを進んで聞きたがる人がいて,それはもしかしたらYMOみたいなものなのかもしれない.