読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

サイコパスは事件の構成と面白さによって作品の面白さが決まる

アニメ

2014年後半アニメの感想として,今度はサイコパス2について書いていきます.

サイコパス2,非常に面白くて毎週楽しみにしていた気がするんですが,最終話まで来たら「あれ,なんかこんなもんか」という終わり方をしました.
1期ってもっと最後まで楽しかったよね?
とも思うわけなのですが,これっておそらく題材にしているものの限界なんですね.

サイコパスというアニメは事件の質でしか面白味を出せない

サイコパスというアニメの主人公は警察です.
なので必ず事件が起こります.

この1クールで1事件を題材にしたことはなかなかに見事なんです.
普通そんなに持たないから.

ただ,その事件も含めて全体的な設定が,もう警察側の成長というのをあまり許容してくれないんです.


サイコパスというアニメは,犯罪係数という形で犯罪者・犯罪者予備軍を見つけ出してしまって,それらを社会から隔離することで健全な社会を守るという,ちょっと近未来的な新しい秩序によって守られている社会が舞台になっています.
その根幹を担う犯罪係数の測定を行うのが,シュビラシステムです.

これらの設定は,物語のテーマの部分に深く関わりすぎているため,この社会自体の変容というのが受け入れ難くなってしまっています.

この部分を変えてしまうと,それは物語の舞台としている「こんな監視社会でいいの?」っていうテーマの部分が揺らいでしまいます.
それはちぐはぐなアニメになる上に,おそらくそんなことをしたら視聴者が置き去りになってしまう.


その代わりにアニメ設定の構造としては非常にわかりやすくなっています.
そのため,第1期の第1話を一番最初に見ただけでも,設定がすんなり飲み込めて,この先に展開されてくるストーリーを違和感なく受け入れられるように作られています.

第1期は監視社会のおかしさを説明する視聴者側に立った犯罪

サイコパスの第1期というのは,そんなシュビラシステムという設定をいきなり出されても,おかしさが説明され切らない部分について光を当てます.

ただし,光を当てるために行うのは,犯罪であり,それを担っているのは槙島聖護です.

そう,このアニメ,最初から事件を起こす側こそが視聴者側に疑問をすべて説明し,社会のおかしさを説明し,これでいいのかと問いかけてきている.
だからこそ,このアニメをすらすらと見られて,なおかつ面白さを感じつつも,どうも槇島が惜しい気がしてしまいます.


もちろんストーリー展開的にも,演出的にも,見ている側が気になってしまうのは主人公の,警察側であることは間違いないです.
おそらくそういう意味を込めて,槇島には表立って目の前で殺人させる描写が組み込まれているのだと思います.


ただ,どうしてもこの社会はおかしい気がして,「それはおかしいだろ」っていうところをしっかりと攻めてくる事件を,ちゃんと起こしてきます.
これはなかなか見事な構成ですよね.


たぶん,最初に企画した段階では第2期や劇場版のことなんて,全然考えていないでしょう(当たり前かもしれませんが).

だからこういう設定で,2クール限りで面白い話になっているし,思い残しがない形でしっかり終わっているんですね.


第2期は事件の質からして勝ち目がない


というわけなので,第2期にしてみれば,もうこの社会がおかしいだろうっていう部分を,どこまで度肝を抜く形で付く事件を作れるかどうかにすべてがかかってくるんです.

それは元から計画していなかったから仕方ないのかもしれないけれど,どうしようもない.

この設定,この社会,この舞台でできることは,もうそんなに多くなかったのでしょう.


だからシュビラシステムに変化を求める事件にはなっているんです.
でもそれって,きっちりとした回答を出せないので(社会が変わってしまうことがテーマではない),あんな終わり方になったんだと思います.


途中までの面白さは演出のうまさ


サイコパスというのは第1期から,こうなるだろうなって予測は結構立てやすい展開をしていました.
ただし,演出は見事に冴え渡っていて,その辺はさすがにProduction I.G作品だなって感じがします.

緊迫感のある演出とかって昔からかなり上手くて,作画のクオリティも高いので,こういうちょっと暗い絵のアニメでバトルやらせるとめちゃくちゃおもしろいんですよね.


だから,OPでわかっていても東金が黒幕の一部というところが見え隠れしてくるあたりは,すごく盛り上がるんですね.


前にもこういうのあったような

同じくProduction I.Gの作品ですが,こういった社会の設定それ自体が作品の問いかけの根幹を担っていて,そこに挑戦してくる犯罪者という構図は,攻殻機動隊でよく見かけました.

とくにStand Alone Complexの時の笑い男事件は非常に面白かった.
あれは,事件の質も良かったし,笑い男という犯人の天才さによって英雄さが際立っていたように思います.

その後の2nd GIGになると,やっぱり事件としての面白味がなくなってくる.
犯人がイマイチだし,物語の根幹である社会に対して訴えかけてくるものが全然足らない.