ネパールに行ったよ
以前の研究室で,俺を受け持っていた助教が良くエヴァンゲリオンの印象深いシーンとして,アスカ来日のところを挙げていた.
理由は,突然アスカの乗っていた弐号機にシンジが乗り合わせたとき,「あんた日本語で考えてるでしょ。ちゃんとドイツ語で考えてよ。」と文句を言うところで,「ああ,人間ってのは頭の中でも言葉で物を考えているのか」と思い知らされたらしい.
たとえば突然海外に行って,周りがみんな英語ばかりで,いやおうなく聞く言葉も話す言葉も英語だけにされると,日本語で考えて英語に訳すのではなく,英語で考えて喋るしかなくなるというのは,まさにその通りなのでしょう.
というわけで,ネパールに行ってまいりました.
一応カトマンズあたりはすべて英語でした.結構頑張ったけどそんなに英語で話せた気がしないなぁ……w
スケジュールとしては,10月31日の22時半くらいにネパール入国,11月1日が暇で,11月2日,3日がデモ.
その後11月4日,5日は学会,6日はフリーで,23時半の飛行機で7日の14時過ぎに成田に到着しました.
一番ヤバかったのは10月31日ですね.
先生,友達,俺,の3人で行ったのですが,乗り換えの香港で友達が倒れて救急車で運ばれるという非常事態が発生.
どうやらただの過労だったらしいけど,マジで倒れて青アザ作ってました.
友達は1日香港の病院で過ごして,11月1日の夜にカトマンズに到着.
■交通について
電車はないです.インドとの国境にあるらしいのですが,それ以外は基本バスやタクシーといった車です.
でも,道路がそれほど整っておらず,交通ルールというやつもあるのかどうか……
タクシーに乗っていても,すごい勢いで煽ります.そして警笛は鳴らすのが普通.いったい何に対して鳴らしているのかわからないレベルで鳴りまくってます.
車線も一応あるみたい?なのですが,普通に車線を無視して走り,無視して追い抜きます.
そして信号が一つもない.
混雑時には主要な交差点に交通整理の人が立っています.
観光客が多いからかもしれませんが,タクシーは結構いっぱい走ってます.
しばらく見ていると見分けがつきますね.
日本人感覚からするとかなり安く,300円とかで普通に移動できます.
車種はTOYOTAとSUZUKIが多い気がしました.バイクもかなり多いです.
日本車が多いせいなのかわかりませんが,右ハンドルで,左側通行です.
でも,道路はまだまだ広いところばかりではなく,ただ今拡張中といったところです.
なので,狭い道路の周りは家が壊されていたりします.
すごいですよね,ネパールでは道路拡張計画が立つと周りの家が壊されるのか.
残業がないのかわりませんが,18時くらいになるとものすごく道路が混雑します.通勤ラッシュというやつでしょうか…….
■町中の歩きやすさ
徒歩で移動するには,ちょっと広いかもしれない町でした.
狭い路地だと歩道がないので,やたら警笛鳴らされます.
逆に大通りだと,信号がないのでいつまでたっても向こう側に渡れません.
横断歩道らしき線はあるのですが,止まってくれる車など皆無ですから,自分から突撃するしかありません.これは最初難しかった.
道路には車の他に犬と牛とニワトリとヤギがいます.
特に犬は多くて,噛まれると狂犬病になりそう.
日本の部屋の中で飼われている,いわゆる自然界に放り出したら死にそうなひ弱なのではなく,夜に走り回ってゴミとかあさっている,ちょっと怖い犬がメインです.
■過ごしやすさ
多くの日本人はすごしやすいというのかもしれません.
最高気温はこの時期でも30度近いのですが,なんといっても湿度が低い.
だから日陰にいると全然熱くないんですよ.
夜は10度くらいまで冷え込んで寒いですけどね.
ただ,高温多湿好きな俺にとってはそんなにいいものではないです.
鼻へのダメージが大きくて…….
あと,今の時期は乾期なので雨が降らないんですね.とにかく埃っぽくて,その上カトマンズ市内は排気ガスがすごい.
交通量が多いからすごく空気が汚れています.
夜になると回収しきれなかったゴミ等と道端で燃やすので,さらに煙い.
■テクノロジーの進歩
そんな街なのですが,電化製品はかなり出回っているようで,近代化の波を感じます.
特に携帯は誰もが持っているし,お店やホテルなどでは日本と同様,Wifiの電波が飛んでいたりします.
しかし,慢性的電力不足らしく,1日のうちかなり長い時間,停電します.
Wifiでネットに繋がっているのに停電するって,なんだか不思議な感じがしますよね.
では,以降は写真付きで時系列順紹介となります.
■10月31日
無事ネパール入りした.空港で出迎えてくれたのは,稲見先生.
Soaltee, Crown Plazaという,ネパールでもかなりいいとこのホテルを取ってあったので(学会からの斡旋),友達を香港で置き去りにした俺は一人でツインの部屋を広々と使う.
ちなみに一泊180ドルくらいだったかと思います.200円でタクシーに乗れるところを考えると,相当いいホテルなのだと思います.
もうこの日は夜遅いので寝るだけ.
■11月1日
朝起きて,朝食はホテルで食べる.
先生は大使館に行かなければならなかったので,俺は一人で暇.
ホテルにいてもつまんないので,一人でタクシー捕まえて外に出てきました(ちなみに初海外,初海外の町の一人探索です).
お昼ご飯オススメをタクシーの運転手に聞いて食べました.
一応観光客向けの店らしいですね.
そのまま町中を歩いていると,本屋さんに「日本語の本あります」とか書いてあって,ちょっと面白かった.
夕方に帰ってきて,夜はうちの先生,稲見先生,稲見研のD3とごはん.
観光客向けのネパール料理のお店にいきました.
民族楽器の演奏とかダンスとかもやってくれました.
しかし4人で8千円っていう値段は,実に日本的な値段である.
深夜に,香港で倒れた友達が無事到着.
■11月2日
この日は1日デモ.
朝7時半から,World Trade Centerという,日本で言うとイオンみたいな感じの建物の一フロアでやりました.
準備が大変で……電源プラグの形が日本と違うんですね.おまけに向こうは電圧も違って,200Vなんですよ.
そのせいで,俺が持って行った電源タップが一個壊れました.
現地のボランティア学生と必死に英語でコミュニケーション.
なんとか俺の持って行ったデバイスの説明を5人くらいの学生にしたら,そこからは交代でボランティア学生が見学者に説明してくれた.
俺も説明していたんだけど,圧倒的に向うの学生の方が説明上手い.
本当に一日中デモ展示をしていて,この日は終了.
夜は仲良くなった稲見研(慶應)のD3の人と,ホテル内のイタリアンレストランに行った.
この物価で7,700円ワインをおごってもらった…….
■11月3日
朝食は毎回ホテルのレストランで食べていました.
こんな感じで,日本食としては唯一味噌スープがあるのみ.でも,「ダシ」という概念は難しいらしく,お湯にみそを溶いただけのものでした.
この日は朝からホテル内のホールで学会.
14時くらいに昼食をホテルで食べます.学会中は用意してもらえるので,こんなおしゃれな場所で,食べてるのはカレーだけど.
ちなみにホテルにはプールもありました(さすがに入ってはいないけど).
お昼の後は再びWorld Trade Centerへ.
この日は学会参加者がいっぱい見に来る日なんですね.
World Trade Centerの前はこんな通りです.
夜は再びホテルで,カクテルパーティー.
その後,ホテル内のインドっぽいレストランに,うちの先生,稲見先生(慶應),奥出先生(慶應)とそのあたりの学生と一緒に行きました.
飲んだ上にさらに飲むとはまったく.
面白い話,ここには書けないような話もいっぱい聞けて面白かったです.
■11月4日
この日は朝から移動.
少し離れた場所にある学校の敷地を借りて学会を行うために,カトマンズから少し離れたところに移動しました.
一応,日本で言うところの小学校くらいの年齢だと思いますが,結構きれいな建物でした.広くはないですが.
発表以外にもワークショップをいくつかやっていて,面白かったです.
教室の壁に貼ってあった面白そうなイラスト.
タブレットに触れる子供たち.
これは,パラパラアニメーションを作ってみようというワークショップで,このタブレットに絵を描いていくと,それをパラパラアニメーションにしてくれます.
それをPCに転送してプロジェクタ投影していました.
学会に飽きて外で現地の小学生たちとバスケしてました.
奴ら強いぞ.流石引きこもりの俺だけあってまったく役に立たない.
この学校の食堂でお昼を食べて,再び移動.
今度はさらに郊外の,まさしく田舎の学校に行きました.バスが入れないので,途中から全員とぼとぼ歩きます.
周りはこんな風景.
でも,校長先生を初めとして,生徒がみんな出迎えてくれて,すごく歓迎されました.
ここも小学校らしいのですが,流石にこの学校はすごかった.
建物は壊れているし,すごく狭い.
発表はこの学校で一番広いホールでやります.
電気が来ていないので,あろうことか発表者たち,PCを直で見せようとしていますが,当然小さくて何が何だかwww
ポスターセッションは,校舎の適当な場所に自由に張り出して行います.
小学生たちが寄ってきて説明を聞いてくれます.
Keynoteはこんな感じで,まさに青空教室.
夕方になると,田んぼの方からヤギやヒツジを連れた人たちが家に帰って行きます.
学会終了.
現地の生徒が,打楽器を演奏してくれたので,それに合わせて踊りだす,稲見研のD3.
あと,今回の学会,修士で行ったのって俺を含め3,4人だと思うんですよね.
結構周りは先生だったり,少なくとも博士だったりするので,俺たち相当若い方だったと思います.
そのせいなのか,日本人だからなのか,とにかく現地の小学生にモテまくります.
「友達になって!」と言われ握手をしまくり,「名前教えて!」と言って手に名前をひたすら書きまくり,「お茶飲んで!」と言われてネパールのお茶をガンガン注いでくれます.
下手をするとメールアドレスも聞かれます.
日が暮れるころにようやく移動し,カトマンズのダルバール広場に行きました.昔の王宮みたいなところですね.
ここで再びパーティー.
またしても歓迎ムードで,踊りとか披露してくれます.
まぁさ,食べるのは毎食カレーなんですけどね.
この日は廣瀬研(東大)の人たちと一緒にご飯食べました.
こんな古そうな寺院が立ち並ぶところです.
■11月5日
学会最終日.
この日は1日ホテルで学会.
昼食も前と同じだし,とくに何の変哲もなく学会は終了.
夕食はホテル内の中華レストランに行きました.
鉄板焼き!つってようやく俺は醤油の味にありついた.
ビールは現地のものらしいです.
次の日は丸々観光なので,予定を話し合います.
一応ホテルのフロントでいろいろ聞いて,朝日を見に行くことにしました.
同室の友達は,次の日朝早いのにも関わらず,夜の街へ…….
ちかくにクラブがあったので,そこに行ったらしいですが,「キャバクラみたい」「あの物価で1万5千円とられた」と言っていました.
俺はもう鼻の調子が最高に悪くなっていたので,さっさと寝た.
■11月6日
朝4時に起きて,ホテルからタクシーでナガルコットという,カトマンズからちょっと離れた小高い丘に行きます.
小高いと言っても標高は2000mくらい.結構寒かったです.
そこで,日の出を見ました.
遠くでヒマラヤ山脈が朝日を浴びています.
朝日を見たら,またカトマンズに戻ってきて観光.
町中を歩きまわりました.
面白そうなジャズフェスを発見,でも日程的に行けない…….
日本語が書いてあるカフェに入ってコーヒーを飲む.
初めてタイ式マッサージを受けて,帰り際におすすめの夕食を聴いて行ってみた.
流石に現地の人向けのレストランらしく,裏路地入ったところにあって,ちょっと怖い.
でも,値段はこれで200円くらい(1ルピー=1円).
そして23時くらいの飛行機に乗って無事帰ってきました.
デモ発表で手伝ってくれた現地の学生に,うちの研究室のデバイスをいくつかと,プログラムを丸ごとあげてきました.
メールアドレス教えておいたら,ちゃんとメール届いていたので,なにか作ってくれそうです.
稲見研のD3の人とは結構仲良くなりました.