そんなに上手いという期待をしていたわけじゃないけれど……,思うところはありまして…….
フジコ・ヘミングって,日本人にとっては割と有名だし,CDとして聞いたことはあった.かなり昔に聴いたものだし,気にはなっていたので,聴きに行ってみたのだけれど.
演目は,
スカルラッティのソナタ,ショパンのエチュード,バラード1番,ドビュッシー,リスト.
スカルラッティはそんなに変な感じでもなかった.
ただ,普通の弾き方している感じは受けなかった.
それが顕著だったのがショパン.
ショパンは,重い音が欲しい訳じゃないんだけど,バラードくらいになると音の表現幅はかなり広く必要になるはずなんですよ.
だけど,ffで来てほしいところで力を抜いている.
prestoをその軽さで弾くか!?
重い音で押す作曲家ではないけれど,モヤモヤした音で弾けば良いって訳でもない.
むしろppでも通る音でなければ.
で,リスト.
パガニーニの6番ってのは,もっと攻めた音で欲しい.
バリエーションでありながら,盛り上がりに欠ける.
で,同じくパガニーニの3番.
ラ・カンパネラは流石に有名なだけあって,弾く回数も多かっただろうし多少はマトモなんだけど.
フレーズの出だしが毎回遅い.
そういう解釈で行くにしては,全部同じように遅くしたらつまんない.
せめて後半はダラダラしないで.
それでも,ショパンよりははっきりした音だったし,聴ける曲にはなっていた.
隣に座ってたおばさんが「本当に素晴らしい」みたいなことを言っていたんだけれど,「そこまで素晴らしいか?」と思うようなのが多かったなぁ.
多分自腹ではもう行かない.
あ,ミスタッチは当然ありましたよ.うん.