なんで滑り降りるためだけに登るのか

ゴールデンウィークの遊びをちょろっとご紹介。

4月28日、29日は妙高に行ってきました。

こんな時期に山?

そうです、スキーです。

といっても、スキー場の営業は終わってしまっています。

じゃぁどうするのか。

足がついてるでしょ!足が!

というわけで、山スキーに行ってきました。

荷物とスキー板を担いで雪山を登ります。

歩いているとたまに「なんで俺こんなことしてるんだろう」って思うことがあります。

よくわからないんですが、とりあえずみんな馬鹿なんですね。

6時間かけて登っても、滑ると1時間かからないですから。

何のために登っているかって、滑り降りるために登っているんですよ。

でも、コストパフォーマンス悪すぎるよね!

それが痛いほどわかっていてもやめられない。

そんな馬鹿な人たちしかこういうところには来ません。

歩くの疲れるし、雪崩のリスクもあるし、ホントなんでわざわざ歩いて登るところに来ているんだろう。

それでも、圧雪されて、完全に整えられたスキー場のゲレンデを滑るだけでは満足しないんですね。

今、山スキーの主流はシールなんです。

クロスカントリーの板と似た仕組みですが、普通のスキー板の滑走面に毛皮みたいなシールを張り付けます。

毛はすべて同じ向きで生えているので、前には進むけれど、後ろに動かそうとすると引っかかるという仕組みです。

昔は、ミンククジラの毛で作っていて、なかなかに高級だったんですが、今は安くなってきて性能もよくなっていますね。

そんな中、俺はつぼ足(普通に靴を履いて雪の中を歩く)です。

普通に歩いて、スキー板はロープで括り付けて引きずります。

この方式、今はほとんどみないのですが、谷川岳を登る山スキーヤーの間に代々伝わる由緒正しきやり方なんですよ!

シールだと靴をはきかえたりする必要もなくて、楽なのですが、斜度がきつくなると対応しきれなくなります。

あと、つぼ足だとアイゼンをするのがかなり楽ですが、スキーでアイゼンというのはなかなかにめんどくさく、アイゼンが必要となるような斜面では弱いです。

逆にスキー板を引きずると、平坦な場所でのスピードでシールに負けるのと、トラバースがやりにくい。

雪に足が埋まるというデメリットもあります。かんじき持っていけばいいんですけどね。

まぁでも、シールが1万、兼用靴が7万、山用のビンディングだけで5万くらい必要になることを考えると、経済的なんですけどね。

そのあたりは、「金をかけないなら体力でカバーしろよ」ということです。

中央の山の頂上まで登ります。

妙高火打山の山頂から。

正面が上越市、その向こうが日本海です。

こっちは北アルプス、白馬。

滑り降りてきちゃった。

二日目、三田原山山頂。

ここから、下に見えるダムに向かって滑り降ります。

今年は3月まで雪が多くて、かなり期待していたんですが、それからずいぶん暖かい日が続いたらしく、この時期としては雪は少な目です。

沢沿いに降りてくる場合は、滝が出ている個所があるので注意が必要です。

いやぁ、滑り降りると一瞬なんだなぁ。

天気も良かったし、すごく気持ちよかった。

圧雪されていなくて、人が滑ってないところを滑る快感がデカすぎて……もう説明のしようがないので、多分そろそろ俺は山岳保険に入るべきだと思う。