「電子書籍時代に出版社は必要か?」に行ってきたよ

今日は東京国際ブックフェアの「電子書籍時代に出版社は必要か?」に行ってきました.

赤松健,植村八潮,岡田斗司夫三田誠広,そしてコーディネーターが福井健策.

「このタイトルをブックフェアでやっていのか」と思いますが,面白かったです.

なかなか過激な話も出た気がしますが,「出版社はいらないよ」という立場の人はいなかったかと思います.

というより,「いる」「いらない」ではなくて,「大丈夫,残ってほしい」と「もう無理」にわかれたように思います.

三田さんが「紙の本がいい」という話を再三していたと思うのですが,それも「残ってほしい」という希望が強いように思えました.

それは確かにそう思うのだけれど,飛行機のファーストクラスの話であったように,それは最終的には本に興味を示す人のうちの5%の中のさらに5%,つまり0.025%くらいの人になってしまう.

それがいいとか悪いとかではなくて,そうなってしまう予感がするので,それで文芸文化が滅びないようにしたほうがいいと思うんですよね.

実際,電子書籍というのは紙の本ではないわけで,それが多少なりとも流行りだしているというのは,「紙じゃなくてもいい」と(仕方なしにしろ)思っている人間がそれなりにいるってことなんです.

そこで「紙がいい」と訴えて,電子書籍に流れる人を食い止めるのではなくて,最終的に0.025%くらいは残るのだから,じゃぁ母集団を増やしてなんとかしよう,ということですね.

質問でも出ていたのですが,電子書籍時代になると1日に出る漫画の数が膨大な量になってしまう.

そうすると,その中で自分が目立つのがほぼ無理になってしまう.それは結局どこかの出版社に入っても変わらないことで,雑誌で宣伝しても雑誌を読む人も減っている.

ということは赤松さんが言っていたように,「新人がかわいそう」な状態がさらにひどくなるのではないですか?

今日の話を聞いていて思ったのは,「え,じゃぁ漫画家になろうと思ったら(技術的な話ではなくて)どうしたらいいの?」.

いや,別に俺は漫画家になろうとかはまったく思ってもいないのですが,「どっちに行っても目立てない」じゃないですか.

そうしたら,漫画家(漫画で食べていく)ことはギリギリできるかもしれない.それは出版社が育ててくれるでもなんでもいいのだけれど.

だけど,メジャーになるにはどうしたらいいんだろう.

と,そんなところです.

ところで今日は初めて「赤松健」を生で見た.

そうか,あれが「われらが久米田」と時折争っている張本人か.