昔、BSマンガ夜話というやつがあって
取り上げるアニメによっていろいろ違いはしたものの
非常に面白かった記憶があります
岡田斗司夫というのは、そのときに初めて見知った人間でした
http://otaking-ex.jp/wp/?page_id=1980
その岡田斗司夫が、なんかいろいろな話を一人でしているだけの企画が、ひとり夜話
特に面白いのが第23弾の「黒執事問題」
26弾のマンガオタク話もドラゴンボールの話とか結構面白かったですが
「黒執事問題」は、言ってることが結構マトモな上に、こういう分野の話だから、やっぱり面白い
とりあえず、「黒執事問題」のとっつきだけでも聞き流してくれると大変うれしい
(黒執事問題の概要も説明してくれるので、アニメとかマンガに詳しくなくても、理解できるように説明してくれています
さて、上の動画で話しているのは漫画の話でした
もちろんあの図の中にアニメも組み込まれているけど
発売前に漫画を無料公開することで変化するシステムの中に、アニメは組み込まれていなかったので
そこを考えましょう
インターネットが高速になったり、Flashみたいなものが流行ったりしたおかげで
今、動画サイトがすごく多くなった
ダイアルアップとか言って、常時接続でもなかった時代は、動画なんて送受信すること自体難しかったし
ましてやFlashなんて全然
そもそも俺の知っている時代はまだMacromediaでした
その時代はそんなにすごいものではなかった
画期的ではあったけど、いわゆるFlash全盛期だったので、2chのAAが動くとかそういうヤツでしたよ
まぁその頃から、youtubeが出始めた頃くらいまでは、割とファイル共有が流行りだったと思うんですよ
あれは敷居が高いのと、なによりめんどくさい
winnyくらいなら初期ノードさえ適当に追加しておけば、あとは勝手にやってくれるので、比較的敷居は低いんですが
WinMXはすごくめんどくさい
ポート解放しなきゃいけないし、基本向こうが流してくれないので、IMとか送らなきゃいけない
それに自分が共有0だと相手にしてくれる人が非常に少ない
それに比べてYouTubeはすごく楽
初期設定?Flash Playerがあればいい
問題はロードの速さくらいなものでしょ
まぁYouTubeは画質がそれほどよくないものも多いのと、長いものはダメなので、分割が多いんですが
Veohが出始めた頃からは全然違う
画質もいいし、30分モノならそのままあげられる
高圧縮な動画が多くなったとか、Flashであげられる動画の容量が大きいのも大丈夫とか
全体的に回線速度が速くなっているとか
いろいろあるだろうけど、最近はものすごい動画サイトが多い
(アニメに限った話ではなく、実写映画やドラマもあります
これ自体はもうしょうがないと思うんですよ
全世界的に、「動画サイトはすべて禁止する!」って言わない限り
日本だけの法律で「動画サイトはすべて禁止!」って言い出したって
現状、海外サイトに字幕付きのアニメが大量に上がっていることを考えれば対処のしようがない
一度、無料で楽にみられるようになってしまえば
見ちゃうのは人間として結構普通のことだと思うんです
で、これでいったい誰が困るのか
アニメが無料で見られてしまうとアニメーターの給料がなくなってしまう
アニメを作っている人に金が入らない
と感じるかもしれない
でも、そうじゃない
まず、売り上げはどこから発生しているのか
アニメは漫画と違ってテレビで放映する形態が一般的ですから
現状、見るだけならNHKの受信料だけでいい
NHKの受信料がアニメーターに渡っているわけがない
視聴率によって、広告出している会社に利益が生まれ、スポンサーから金が出る
でも、視聴率ってアレ、実は計測する機器を取り付けていなければ関係ないので
俺が深夜にテレビつけてアニメを見たところで、視聴率貢献にすらならない
ってことはですね、テレビ放映で利益が出てるわけじゃないんです
あのですね、ぶっちゃけ今のアニメ業界
テレビ放映したときのスポンサー料だけじゃ作れません
じゃぁ売り上げはどこから生まれるのか・・・
それはね、DVDの売り上げから発生するんですよ
出版業界だと、売れれば売れるほど印税が入る契約とかがあるじゃないですか
アニメ業界に、あれはほとんどないです
だから、DVDが売れれば売れるほどアニメーターに給料が入るかって
そんなわけはない!
アニメーターの給料ですが、アニメーターは正社員ではありません
動画1枚150円
原画1カット3500円
作画監督料、一本20万程度
こんなもんです
去年時給調査が行われました
動画 298円/時間
原画 689円/時間
監督 1412円/時間
※動画は中割なので、1時間に2枚くらいいけるかもしれませんが
原画の場合、作画監督による直しが入る上に、カットを新しく描くので非常に時間がかかります
アニメ制作というのはかなり金がかかります
主に人件費ですが、なにより時間がかかるので
最初に金を集める段階で、製作委員会というものが作られます
よくエンディングなどに表示されますよね
アニメの場合、アニメーション制作会社、レコード会社、テレビ局、出版社などがお金を出し合い、まず資金を確保します
利益は、この出したお金の比率に基づいて分配されます
なので、アニメーション制作会社が、最初にお金をあまり出さなければ
どれだけDVDが売れようが、アニメーターにお金が渡るわけがない
それに、売り上げに基づいて分配されたところで、そのお金は会社に入ります
アニメーターはDVDが売り出し始められるよりかなり前に絵をかいています
そして、描いた時点で、1枚150円で買ってもらうので
後々DVDが売れても、追加でお金が貰えるなんてことはないんですよ
正社員じゃないしね
これは上の役職でも同じで
動画内でも言われてましたが、
監督料なんで200万か300万程度で、売れたからといって追加でもらえるなんてことはめったにない
だからですね
無料動画サイトにアニメが上がって
DVDの売り上げが下がって、直接困るのはレコード会社とかテレビ局なんですよ
俺たちがどれだけDVD買っても、それでアニメーターの生活が楽になるなんてこと
相当なことがない限りあり得ない
これに対して新しい売り方を売り出しているのが
山本寛でしょう
BlackRock Shooter的な売り方です
俺は山本寛、あまり好きじゃないですが
ああいう戦略は一理あると思うんです
もうアニメ本体でお金を発生させるのは難しいので
ほかのところ
ありきたりなところで言えば、グッズですよね
そういうところでお金を発生させる
あれは、宮崎駿監督作品の中で一番興行成績が悪かった(映画館に来た人が少なかった)
でも、ジブリの中で一番売れた作品
何が売れたかって、トトロのグッズが売れまくったんですよ
同じくニコニコ動画的なやり方もありだと思うんですよね
もうテレビ局とかはさまないで
岡田斗司夫の言うように1年いくらか払って、低画質(現在配信されている程度)のやつが見られる
でも、高画質とか特典が見たい人はDVDとかBD買ってね
というのは、アリなんじゃないかと思うんですよね
その低画質で配信するところを、アニメ制作会社から直でやってしまえば
そこの利益って全部自分のところの利益でしょ
年会費だったら、アニメーターに払う給料確保できるじゃない