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SAOは思い出補正

2014年後半アニメの感想として,SAOの第2期について書いていきます.


このソードアート・オンラインⅡ,面白いといえば面白いのですが,やはり1期ほどではないという,月並みな感想しか出てきません.

こういう,第2期を制作しちゃうアニメだとよくあることですが,やっぱり第1期というのはちゃんと構成も練られているし,設定の使い回しには当たらないので,すごく新鮮味があって面白いんです.
だから,どうしても第2期がつまらなく感じてしまうのは仕方ない.


しかし,SAOに限って言うなら,第1期も後半おもしろくなかったよ.


第1期のSAOは14話までの,いわゆる「アインクラッド編」だけが異様に面白かったのですが,後半の「フェアリィ・ダンス編」というのは実につまんなかった.

第2期はそのまま流れ込んでいるので,やっぱりそんなに面白くはない.



SAO第1期が放送されたのは,2012年7月からの2クールアニメでした.

実は2012年というのは,かつてインターネットゲーム界で大変有名であったラグナロクオンラインの運営開始から,ちょうど10年目にあたる年です.
テイルズウィーバーが2004年開始なので,ちょうど8年.
マビノギが2005年開始なので,7年というところですね.


SAOの世界観というのは,このようなMMORPGの世界観に非常によく似ています.
デバイスが違うだけで,我々はかつてをそのまま思い出せるような世界になっています.


そう,SAOの世界観そのものというのは,基本的にはMMORPGをめちゃくちゃプレイしていた世代に,ひたすら懐かしさを覚えさせてきます.

だから俺のような人間が見ると,ひたすら懐かしさを感じる.



あの頃,MMORPGに終わりが無いことに我々は喜びを感じていた.
仮想通貨も,ネットゲームのレベル上げも,なんかそれがすべて幻想でないような気がしていたし,毎日話している人たちはすごく仲良い友達のような気がしていた(実際に仲の良い人もちゃんといました).

だからこそ,みんなどっぷりとハマっていたし,それを問題視する声もチラチラ聞くことがあった.

ネトゲ廃人

ネトゲ廃人




ただ,そんな声には耳もくれずに,みんなで狩りに出かけていたし,毎日きっちり狩りの計画はしていたし,Gvにもきっちり参加していた.
そして,なんか信じられないくらい楽しかった.
今思い出しても楽しかった.不毛だけど.


たとえ幻想でも,みんなで信じて本気で遊んでると,結構楽しいんだなって思った.





SAOの「アインクラッド編」では,ゲーム内での死=リアルでの死,というルールが課された.
だから,みんな本気でやっていた.

死なないように細心の注意を払って狩りをしていたけれど,それでもクリアしないと終わらないのでみんなで必死にレベルを上げて攻略する.


諦めてのんびりと暮らす人もいるし,なかなか強くなれない人もいる.



PKに目覚めてしまう人もいる.


でも,全員が本気でやっている.





設定が加えられているにしろ,この本気さが当時を思い出させ,懐かしさを感じさせる.
SAO内で起こることに,かなり細かいところまで「あーこんなことあったあったwww」と頷ける.
と同時に「楽しかったなぁ」と思い返す.


言ってみれば,「アインクラッド編」はすべて思い出補正で成り立っている.

こんなBGMひとつとっても,「こういうのよくROとかテイルズとかで使われてたなぁ」って思うんです.


Sword Art Online OST1 Everyday Life - YouTube



だから,思い出がない人たち(MMORPGをやっていなかった人たち)が見ても,まぁ普通におもしろいアニメだなぁって程度なのかもしれない.






それが大前提にあって第1期を見ています.

なので,第1期後半は面白くない.


MMORPGを本気で遊んでいるわけじゃない,コンバートしてチートスキルを持っている状態で,あとは仲間の力を借りて……というところは,ゲーム内での活動ストーリーとしては全然面白くないし懐かしくもない.
そういうんじゃないんだよ!もっとこう……ペットが死んだり,普通にレベル上に付き合ったり,やばいくらい強いモンスターにうっかり合っちゃって……みたいなのが懐かしいんだよ!!!


この話が,アスナというヒロインを上手いことストーリーに組み込む上で重要であることは理解しています.
ただ,理解しているだけで特に面白味は感じない.



この視線で見続けていると第2期はさらにどうでもよくなってきます.


第2期前半,「ファントム・バレット編」は,銃を撃ちあうゲームなのですが,いきなりゲーム対象がラグナロクオンラインからCall of Dutyになった気がする.
もうこの辺のFPSはまったくとやっていないので,俺の懐かしさに触れもしませんでした.

ここは非常に個人的な理由なので,もしかしたらこれを喜ぶ層がいるかもしれませんね.



第2期「キャリバー編」,「マザーズ・ロザリオ編」については持ち直して,ちょっと嬉しい面もありました.


ひとつは,純粋にMMORPGに戻ってきたこと.

そしてもう一つ,「マザーズ・ロザリオ編」はみんな本気で遊んでいたので,見ていて清々しい(そして懐かしい).




気に喰わないこともあります.


第2期になってから,トラウマのある少女,終末期の患者,というなんだか社会問題っぽいものを取り入れようとしているんですが,いらない.

あくまでSAOのストーリーの面白さはゲーム内での面白さにあると思っています.
というか,そこを全面に押し出して欲しいんです.
だから,ゲームを本気で遊ぶための材料として,リアルでの不遇を使うのであればまったく異論はないんです.

でもそこで社会派ぶらないで欲しい.


必要のないものを中途半端に取り入れると,俺は物語の純度が下がる気がしていて,あまり好きではないんです.

社会問題を取り上げたいのであれば,それはそこを全面に押し出せばいいのであって,ゲームをさせてほしくない.

むしろそこでゲームをさせているのを見ると,「やっぱりSAOというコンテンツは,もはや我々に懐かしさを与えて,思い出は楽しかったと思わせてくれるものではなくなってしまった」と感じてしまう.




というわけで,俺がSAOに求めているものは最後まで「懐かしさ」であり,面白いと感じていた大部分は「思い出補正」で成り立っています.


そいういう意味で,第2期まで通してみて,やはり第1期の「アインクラッド編」が異様に面白かった.
第2期は,第1期ほどの面白さはもう持っていない.





褒めるべきところを少しだけ.


アニメーションの演出はかなり出来のいいものでした.
これは第1期,第2期通してなのですが,勢いのある演出,バトルシーンでの盛り上げ方は見事です.
最近はあまりスタッフにまで目を通していないので,演出の方の名前を読んでもピンと来ないのが残念です.

あと,A-1 Picturesというアニメ制作会社は,いろいろなアニメを作ってきましたが,「ここまで良いアニメーションをつくり上げるまでになったか」と思うくらいには,見事でした.
必要な部分では確実に絵をしっかりと動かしています.
それが演出の求めているレベルに達しているようで(素人目には),動きの激しいシーンほど燃えます.

それは第2期を見ていても特に,楽しめたんじゃないでしょうか.