先週、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を聴いてきた。
ピアノ:横山幸雄
指揮:宮本文昭
http://www.cityphil.jp/concert/c2013/s20130913.html
信じられないくらい難しいこの曲は、やはり聴ける機会自体も少ない。
都内に暮らしていても、年に2回も聴ければいい方だ。
オケもピアニストも、それほどメジャーではないかもしれないが、なかなかよかった。
席はそれほどいい席ではなかったが、横山幸雄のピアノは重厚で、オケの音の大きさとのバランスも良かった。
交響曲ならともかく、協奏曲となると、ソロ楽器とオケとの音のバランスというのもすごく気になる。
基本的にはオケの音のほうが大きくなるので、特に金管・打楽器の音が飛び出すぎると気になる。
そういうバランス感覚は、録音位置を調節し、複数マイクで音を拾って録音する今の音質の良いCDを聴いているだけでは、養えない。
第1楽章カデンツァ。
期待通りのOssia、大カデンツァだった。
ただ、第1楽章はちょっとそっけない。
もう少し粘るのかとも思ったが、モチーフの最後まで粘らないのが気になる。
ところが打って変わって、第2楽章、第3楽章になると、いきなり粘るようになった。
このくらいのメランコリックさが欲しい。
第2楽章のラストから、第3楽章へ。
バランスは良いとは思っていたけれど、しっかりピアノの音が響いて最高。
曲にもよるが、ラフマニノフならどこまで出しても大丈夫、出し過ぎということはない。
これでもかというくらいに、重い音を求めてくる。
この曲の最高の盛り上がりを見せる直前。
http://www.youtube.com/watch?v=aSXtXLAVgkE#t=37m15s
簡単なところではあるが、ここの綺麗さが、最高に際立つ。
こういうところで魅せにかかってくるところは、さすが。
そしてクライマックスなのだが、最後はもう少し追従して欲しかった。
http://www.youtube.com/watch?v=aSXtXLAVgkE#t=41m10s
ここの3連符はオケが加速しても、最後までオケに追従してほしかったなぁ。
それだけ気がかりで、あとは最高でした。
このあとのしつこいくらいのピアノの高音部の和音が大好き、涎が出る。
これがラフマニノフらしさで、こういうのがあるからやめられない。
それほど名前は知られていないかもしれないですが、横山幸雄は上手かったです。
ショパンの全曲演奏なんてトチ狂ったことやるだけあって、好みでした。
この曲をこのレベルで弾くというのは、やっぱりすごい。
一昨年聴いた、清水和音なんかよりよっぽど上手い。