ニコ生東浩紀×岡田斗司夫 岡田さんがいい人すぎる

まだ会員限定放送は見ていないのですが,本放送を見たので感想を.

東さんは,始まる前や開始直後あたりはかなり緊張していたように見えました.

それに対して岡田さんがなんといい人か.

「酒は飲まない」とか「わざわざ意識をぼんやりさせて」と言われたにもかかわらず,いつの間にかワインを開けている東さん.

そして,見事に同じ話を繰り返す東さんに対して,なんといい人か.

笑顔で受け答える岡田さんは,なんか東さんの相談に乗っているみたい.

というか,今回話していたテーマ自体,かなり東さん寄りのことが多くて,開始直後から東さんが自分の話をするする.

それはいつものことかもしれないのだけれど,あれだけ緊張しておきながら早口で喋る喋る.

だから余計なのかもしれないけれど,あんまり岡田さんがいつもみたいにガーって話し続ける場面がなかった気がします.

特に酔いが回ってきてからは,どうしても「わかったわかった」という流れになってしまうので.

なので,やっぱり福島第一原発観光地化の話が面白かった.

あのあたりは,東さんが「わかるわかる」みたいなノリではなく,早口で話し続けて,一つずつ岡田さんが問い詰めるという形でよかった.

観光地化について,東さんが「20年後を見越してあそこを観光地にしておく」と言うのに対して「今すぐ観光地にしちゃう」「観光客に処理作業をさせる」「みんなに健康の被害を与えて観光地にする」それならアリ!と反論する.

こういうのってやっぱりアレがアートに見えているという,その前の話を受けている.

アートだから,作り方まで含めていなければいけない.

1年以上前になっちゃいますが,同じくニコ生で村上隆の100メートルの五百羅漢図について,「学生が勝手に色を変えてしまって村上隆にぶんなぐられる」とか「筆で修正してまた殴られる」とか,そういう話を思い出します.

他人が除染したり観光地化を頑張ってやり遂げて,それで何か出来上がっていたとしても,それじゃぁアートにならない.

これをアートとして考えるなら,それは「観光客が除染作業をする」方が確かにまっとうなのかもしれません(本編中では「男らしくない」と言われていましたが).

そしてこの計画がアートを作ろうとしているのならば,「将来へのしおり」として非常にわかりやすいですし,そういうのは残りやすいのでしょう.

その意味では,東さんと村上隆は構造は同じで,どちらも数十年後に現代という時代を振り返ったとき,引用しやすい目印になるように現代をうまくまとめている,というそのままですね.