『完全教祖マニュアル』を読んだよ

ちょっと前になっちゃいますが『完全教祖マニュアル』を読んだので感想です.

まず一言,これはギャグとして十分通用する,実に笑える宗教解説本です.

「教祖マニュアル」なのだから,教祖になるための本であることに変わりはありません.

ですが,教祖の道しるべとして,すでに存在している宗教を,メジャーなものからマイナーなものまで,なかなか面白く解説してくれているので,そこだけ考えても面白いです.

ただそれ以上に面白いのが,この本の構造です.

教祖になるために,

・キミも教祖になろう!

・教義を作ろう

・大衆に迎合しよう

・信者を保持しよう

等,目次にはヤバイ項目が並んでいるのですが,ここに書かれている解説の通りに書かれた本こそ,この『完全教祖マニュアル』ではないかと思うほど,そのまんまの構造をしています.

だから随所に出てくる解説の最後には,「教祖とは人をハッピーにする仕事です.だから信者にはあなたのことを信じさせましょう.」の続きに「そしてこの本を読んで教祖となったあなたはこの本を信じましょう.信じるのです.信じるのですこの本を.」と書いてあったりします.

他にも「インテリを釣ろう」とか「甘い汁を吸おう」とか,割とズバズバと書いてあって,なかなかえげつないです.

まぁ最終的には,「信者がハッピーになればいいのです.」

あと,これみよがしに最後に「感謝の手紙」が載っていて,「この本のおかげで立派な教祖になれました!」とか「お布施ウハウハ」みたいな(変なメルマガの広告みたいな)体験談が載っています.

やっぱこれ,ギャグじゃないのか.

ちなみに,宗教解説に関しては,俺は全然詳しくはないのですが,おそらくかなり真っ当です.

キリスト教に関しても,イスラム教に関しても,仏教に関しても,いい方はかなり砕けていますが,かなり良い解説書になっています.

既存の宗教に関しては,コラムがたまに乗っていて,そこもかなり充実していますしね.

なにより面白いです.