偽物語が終わってしまって、やはり少し悲しい

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公式でこういうことやっちゃうのは結構好きだなぁ、と思うのと同時に、レコード会社とか大丈夫なんだろうかというあたりが気になります。


コンテンツのクリエイター側というのはコンテンツを上手くマネタイズすることより、こうやって自分たちの曲を聴いてくれる人が増えることの方がメリットが大きい。
で、実際食べていけて(ある程度の生活水準を維持できて)さえいえれば、「仕事一つ一つのマネタイズの効率なんかどうでもいい」と思っているクリエイターって結構いるのかもしれない。
でも、クリエイターと契約しているコンテンツホルダーは、そんなことをされては自分たちのメシが食えないのだろうね。

 


さて、
偽物語が最終回を迎え、俺が見ているアニメの中でもついにひとつ終わりを迎えてしまった。
これが別れの季節というやつで、今週、来週で俺は怒涛の最終回ラッシュを潜り抜けなければならない。

 

偽物語の話をしましょう。
最終回が終わったので存分に話せる。


最終回まで見た感想は、面白いシーンは多いのだが話が小さい。


化物語の時点で、この話というのは非常に謎の多い話だった。
なにしろ、前提として傷物語というものがあった上での話なのだから。

そして1人につき2話か3話しか使っていないはずなのに、その一つ一つの物語で解決してくる案件がデカい。

前に話した時、バトルが圧倒的に多いと言ったのだが、それに近い。
化物語のバトルというのは決着をしっかりつけていたし、それによってヒロインたちの周りはかなり大きく変わるのだ。

大して偽物語というのは、可憐と月火の日常にまったく変化はない。
どちらかというと暦は水面下で活動した形になっており、阿良々木君のいつもの人助け能力がまったく発揮されていない。
というか、その見せ場がないのだ。

 

妹たちの話が嫌いなわけではないのだが、解決する問題が小さい。
フェニックスにしてもハチにしても、「基本は無害、放っておいても問題はない」という怪異だ。
だからなのかもしれないが、人助けをする阿良々木君が話を大きく動かしている感じがしない。

その割に、前半特に、関係ない人たちを出しすぎる。
確かに偽物語の本筋から行けば、出てこなくていい人たちがいっぱいいて、一度も出番がないと悲しい気がするのだが、そういった回り道があまりにも多すぎて、メインの話が小さく見えてしまう。

これを視聴者サービスととらえると、いろいろと要らない話が多い。

いや、むしろこのスタッフたちはそういうことを笑いながら喜んでやりそうなフシはあった。
だけど、一本まるごと歯磨き回はどうかと思う。
そっちがメインに思えてしまう。

 

最終回では予想を裏切って、あまりにも小さい話でスパっと終わってしまった。

だけど次回予告に「続」と出てきていたのはどういうことだろう、WEB公開をするつもりなのか。
それとも劇場版の傷につなぐということなのだろうか。

 

もう一つ。
これは以前に書いたのだが、完成しているカットが非常に多い。
化物語の放送当時は音声のみのカットが非常に多くあって、そういうものが演出としてなかなかいい効果だと俺は思っていた。
そしてDVD発売時にはその部分が追加カットとしてかなり補強されていたから、うっかりDVDも見てしまうという効果があった。

だけど、偽物語は音声のみのカットが非常に少ない。
よく言えば上手くできているのだが、それはバトルシーンが減った代償なのか、単にほかのアニメと並行作業になっていないからなのか、よくはわからない。
でも、そのカットが少ないお陰でDVDに期待する部分が少し小さい。

DVDになったとしても、それほど演出的変化が大きくならない、新作カットが追加されないとなると、期待する部分が小さくなる。

 


ここまで批判を書いたけど、面白い部分も多い。
それは化物語から引き継がれている気がして、あまり新しい部分として感じられてはいないけど。

化物語よりも過剰演出が増えた。
以前であれば、バトルシーンで一番ヤバイ状態になったのは神原だろう。
だけど、今回ヤバイシーンは月火とのバトルと最終回のバトルだ。
いずれも、本当にここまでにはならないことがなんとなくわかるバトルだった。

最終回で、チクったのが貝木だとばらされたときもそうだったのだが、実際にはそこまで行くはずもないのに、気持ち的な盛りで過剰な状態を描いている。

これは単純に面白さが増している。

そして光を使う絵が異様に増えた。
これは化物語最終回あたりでも思ったのだけれど、圧倒的に最近のシャフトでは暗闇に光を入れているカットが多い。


化物語もそうでしたが、偽物語も同じく、シャフト的な空間の作り直しはあまり行われないんですよね。
シャフトのアニメで時折出てくるんだけど、3次元空間が射影変換されてない絵とか、パースが明らかに違う絵が出てきちゃうんだよね。
そういうものが、やっぱりあまり使われない。
デフォルメも少ないし、割とリアルなアニメーション演出なのだと思う。

だから、化物語というのはシャフトや新房昭之というスタッフによって作られたアニメの中では、比較的見やすいものだと思っている。
セリフ量も多いし、その割に画面の動きも激しい。

偽物語もその部分はまったく受け継がれていて、かなり見やすいものだと思います。